- Home
- Blog, 活動のこと, 活動の方法・やり方, 知識・解説
- ストリートしてるミュージシャンやブッキングに出てるミュージシャンは思考停止している
Blog
10.102018
ストリートしてるミュージシャンやブッキングに出てるミュージシャンは思考停止している
この記事はこの続きだと思っていただければと思います。(この記事を読む前に先に読んでいただいても、読んだ後でもつながります)
→圧倒的な努力でしか結果は出ない
■たとえ毎日ストリートしてもそれは圧倒的な努力ではない
僕らは活動から約5年ほど数え切れないほどのストリートライブをしてきました。
その中でも2度、「1カ月連続で毎日ストリートライブ」をしたことがあります。
一度は大阪のみで1ヶ月間、二度目は全国を回りながら。
正直どちらもなかなかハードで楽しかったけど、それ以上に辛かった記憶があります。
その時の自分は毎日やっているということに対して、誰よりも頑張っていると思っていました。
毎日お昼前にストリート場所に到着。
そしてそこから約5〜8時間歌う。(大体15曲〜25曲くらい。最後の方は死にかけてた)
それだけ見ると確かに頑張ってる感はありますが、その間に他のミュージシャンの方と合同で行うことも多かったので、休憩時間もたくさんあります。
朝9時に出勤して17時まで働いている会社勤めしている方たちに比べても格段に余裕です。(なのに死にかけてた僕はうんこです。)
正直に言って機材を持っていて、演奏できれば、ちょっと頑張るだけで誰でも出来ます。
さらに外の環境はここには入ってはいけないとか、聴く方の環境をこちらから整えることなどができないため、多くのことが制限されていて、エンターテイメントとして成立させるには難しいポイントが多々あります。
つまり違う言い方をすると限界があるため、あまり深く考えることなくやることができてしまいます。
そういう意味でも誰でもできてしまう。
毎日したり、定期的にすることは確かに大変かもしれない。
でも誰でもできることを圧倒的な努力とは言えないです。
ライブハウスで言えば年に200本ライブしてるみたいなのも同じっす。
■警察に止められていますツイート
これも周りが見えなくなっている大きな一つですが、ストリートミュージシャンが警察の方に注意を受けてツイートしているのをよく見かけます。
「警察に止められてまーす。いなくなったらやりまーす」
みたいなやつ。(中には警察の人を撮影して写真付きで投稿してる猛者もいる)
これに関しては思考停止してるとしか言えなくて、それを見て応援してくれるのはほんの一部のストリート大好き軍団のみです。(すごいありがたい存在でもある。)
客観的に見て、それは冷蔵庫の中に入った写真を撮ってツイートしていたコンビニのアルバイトの人と全く同じ構図で、それを見ても応援するという人はその人も同時に思考停止してしまっているだけです。
そういう人が周りに集まるので、まるでそれが正しいかのように思ってしまって、いつのまにか井の中の蛙の日本代表選手になっています。
確かに誰かが嫌がらせで通報したのかもしれないし、そんなに迷惑になってないかもしれない。(ひたすら通報するまるで職人「通報おじさん」もいます)
ただそれで止められてしまうのは私有地でない道路での演奏は「道路使用許可」が必要だというルールがあるからです。
この議論になると必ず「海外では違う…」「日本はダメだ」みたいな意見を言う人がいますが、僕もその考えに関してはもっと日本も柔軟になってほしいなーとは思います。
でもここでのその意見は論点がズレています。
もしそれを変えたいのなら、それを変えるために行動するしかないし、日本のその点がダメだと言うのなら海外に行けばいい。(実際許可を取ってイベントを開いている人もたくさんいるし)
それは居酒屋で大きな声を出さないでくれと注意されて、「楽しくやってんだよ!何が悪いんだ!」と言っているのと同じで、相手の土俵で相手のルールを守れないなら、相手が納得してくれるまで理由を伝えるか、自らそこを去るしかないんです。
あんたがここを選んだんだろ!
の声に対してはそれに従うか、違う場所を選ぶかしかないんです。
少なくとも写真のSNS投稿は絶対に違う。
だからこそ僕らは違う道を選びました。(さよなら通報おじさん)
■武道館を目指しています
そんな看板を掲げてストリートをしてる方がたくさんいます。(写真は大阪城ホール)
もちろん可能性はあると思いますが、厳密に言えば僕は無理だと思っています。
僕らもずっとやっているときは例えば1日10枚のCDが売れて、これを繰り返していれば、いつの日か1万人(武道館が埋まる人数)になるのだと信じていました。
でもCDを買ってくれた方や応援してくれる方は、当たり前の話ですが単純に正比例で積み重なるものではないです。
あの頃のみんなはどこに行ってしまったのかと思うこともあります。(今も探しています。連絡ください。)
でもその理由は当たり前のことで、僕たちの人生が進んでいる間に、みんなの人生も進んでいるからです。(就職したり、結婚したり、子供ができたり)
当たり前のことが、見えなくなることは多いです。
とはいえストリートライブから火がつく方もいます。(今人気のあいみょんさんなんかはそれ)
ただ今ストリートライブから火がつくパターンのほとんどが、SNSでの拡散です。(もしくはプロデューサーとの運命の出会い。)
「すげぇやつがいた!」とか誰かが、ツイートしたものがひろまる。
そういう可能性はあると思います。
「ストリートにすごいやつがいた」
というのは確かに家で食べる肉より、河原でバーベキューした肉の方がうまく感じるように、よりすごく、より素敵に見える可能性はあるかもしれません。
でももしそれを狙ってやっているのなら、自分でやればいいだけです。(プロデューサーにも自ら連絡する方法はいくらでもある)
自分でそれすらやらずに、誰かがアップしてくれるのを待つ必要なんか全くないし、本当にすごいやつはすぐにそうなります。
つまりストリートライブで出会いを積み重ねていくのはもちろん魅力はあるけど、ネットのシステムから見れば、メッセージを伝える時にSNSとストリートでは「電子メールを送る」のか「鳩を飛ばす」のかくらいの差があるということです。
■思考停止の未来
とはいえ、ストリートライブをすることが本当に好きなんだ!とか、有名になるのはストリートからじゃないと嫌なんだ!とか、ストリートでこそ力が発揮できる!方はそれがベストだと思います。(実際そういう方もいるし、本当に素敵だと思う。)
僕らにとってもストリートライブは本当にたくさんの方に出会うことができた場所なので、今もなお大切な場所だと思っています。
でももっと多くの人に届けたい、出会えたみんなと未来もずっと繋がっていたいと考えた時に、少なくとも僕たちはそこでは力不足でした。
「今」だけでなく、未来まで自分の好きな音楽、そしてファンの方との時間を大切にするのなら、今は絶対にストリートライブじゃないと思いました。
ストリートライブをしているミュージシャンはそれが本当に自分のためになるのか、そしてファンの方たちとの未来のためになるのかを今一度考えるべきです。
じゃあ何をすればいいのかと考えた時にきっとほとんどの人はこう考えます。
「YouTubeにカバー動画をアップしたところで見てもらうことは結局難しいし…」
「生配信から有名になる人なんて限られているし…」
「CD売れなくなっちゃうし」
だから今すぐできるストリートライブがお手軽に見えて、そのような活動に切り替えることがかなり遠回りに見えるのだと思います。
でも今目の前にある状況からは目を背ける。
何も進まなくなるくらいなら、人は自分を安心させたいので、せめて「やってる感」を感じられる道を選びます。
だから今日もストリートに出る。
ライブハウスでのブッキング(4〜5組が共演するライブ)にとにかく出るというのも全く同じ思考回路だと思います。
■選択肢を増やす大切さ
ここに書いたのは僕の意見で、ストリートしてる人はダメだとか、ライブハウスに出る人はダメだとかいうことではないです。(それぞれに大切にするもの、大切にしたい人がいるので。)
でも毎日ストリートしてることをめちゃめちゃ頑張ってる!とか年200本もライブしてる!すげぇ!俺もやらなきゃ!と手放しに思ったり、ただ見本にして目指してしまうのは一度ストップするべきです。
それは見本ではなく、ただその人が選んでいる選択肢のうちのたったひとつです。
だからこそただひとつの場所に居続けて感覚をバグらせてしまうのではなく、情報を得て選択肢を増やすことがとても大切だと思っています。
同様にYouTubeにアップしろよ!とか海外に行こうよ!なんてことを言いたいんじゃない。
でも本当に自分が大切だと思う、自信のある音楽をもっとたくさんの方に届けたいのなら、今とりあえずやってしまっていることをもっとちゃんと見つめなおすべきです。
ミュージシャンに限らず、正解だと思って何気なくやっているようなことが単なる思い込みだということは本当によくあります。
これが読んでくれた皆さんの新しい選択肢を生むきっかけになれれば嬉しいです。
おこがましいかもしれませんが、もし僕で良ければ、活動に悩んでいる方ぜひメッセージなどください!!
一緒に本気で考えます!!
本気で盛り上げていきたいです。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
私はミュージシャンでないですが、思考停止していることが色々あります。
本気で選択肢を増やさねばなりません。
ストリート、ブッキングライブをしているミュージシャンは大好きですが、このブログに書いてあることもわかります。
無許可のストリートなのに、注意してきた警察官が悪いみたいに捉えているファンがいたり…。
当たり前のように無許可のストリートをリクエストするのはどうかなー…と感じたり。
私もストリートにもっと寛容でいいじゃん!と思ってるのですが、ある程度の秩序も必要ですし。
ミュージシャン云々というよりは、自分のことを見つめるために読ませてもらってます。