今回の新曲は自分に向けて作りました。

僕は曲を作って、表に発表するからにはいつの日も「できるだけたくさんの人」に聴いてもらいたいと思っています。

でも曲を作るときに

「できるだけたくさんの人が共感するように」

「多くの人が同じように思うのはこれだろう」

と考えて作った曲はありきたりな、どこにでもあるような曲になってしまいます。

少なくとも僕はそうなっちゃいます。

だからこそ僕は曲を作るときは「できるだけたくさんの人」に向けて作るのではなく、「明確な誰か」を想って作ると決めています。

そうすれば確実に1人には届くものにはなる。

そしてそれが多くの人に聞かれるようになるということこそが僕が目指す音楽です。

そして今回の曲は「灯火と黒いヒカリの塔」という新しい物語のテーマソングとして作りましたが、これは自分たちの物語でもあります。

なので今回の曲は過去の自分に向けて作りました。

25歳で音楽の道に進んでライブハウスでの活動をスタートしたとき、すでに何年も経験を積んでいる同世代、さらにその先輩たちに囲まれて、それまで感じたことのなかった強い劣等感を覚えました。

タイ、そしてフィリピンでの活動を始めた時も、その都度そこまで培ってきたもののほとんどが全く通用しないものになりました。

好きなことをやりたくて、新しい場所に飛び込んでいるはずなのに、その場所が苦しくて、都度心を締め付けられていました。

でもありがたいことにそれをひっくり返していくことに喜びを感じられる戦闘民族として産まれたおかげで(そう育ててくれた親に感謝)、なんとか乗り越えられてきました。

とはいえ苦しいときほどできるだけたくさんの人に届けなければならないと頭は固くなり、「バズりそうなもの」「数字が取れそうなもの」に頼ってしまいそうになります。

僕はバズりを目指すことが悪いことだとは思っていませんが、そこには僕がやりたいエンターテイメントや、明確な誰かのための曲はありませんでした。

僕は好きだから歌う。

届けたい人がいるから曲を作る。

それを真面目に、優しく。

それが今僕が「明確に」過去の自分に伝えたいことです。

現在立ち上げているクラウドファンディングで完成させていくのはそんな曲です。

自分に向けたこの曲を多くの人に届けていきます。必ず最後までやり切りますので、応援してもらえると嬉しいです。

この曲をここまで出会えたみんなと一緒に形にできたら幸せです。

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