小説一覧
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第15話「友からの紹介」
いつも通りファミレスに集まっていた三人。三人の中に忙しい奴などいない。「隼、紹介とか嫌?」隼に紹介を持ちかけた浩司は少し気まずそうな顔で問いかけた。隼は何も言わなかった。いや何も言えなかった。二人がどんな思いで自分に紹介の話を持ちかけたのかがわかっていたから。
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第13話「新しい気持ち」
隼は二人に全てのことを話した。隼に彼女がいることさえも知らなかった祐介と浩司は急な事実に言葉を失った。「でも一人で行ってどうするん?」浩司が何かを問いかけねばならないと小さな声で隼にたずねた。
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第12話「何もお返しできなかった」
全てを信用し、全てを話すつもりだった。そう心に誓っていた。自分は真紀のことを大切に想っている。その想いを素直に全て伝えるのだと。それなのに。何もできなかった。そんなことすらできなかった。隼の頭の中、心の中、体のいたるところ全てはその感情で満たされてしまった。
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第11話「一瞬の出来事」
「おはよう。今から学校行ってくるわ。」そんな何気ないメールを隼は真紀によく送るようになった。真紀からの返信も早かった。「寝ないでちゃんと授業受けなきゃだめだよ。大学行かなきゃだめなんだからね。」隼と真紀は付き合い始めた頃から同じ大学に通おうと約束していた。
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第10話「それでもまだ」
その後ベッドの上で茫然としたまま、いつの間にか死ぬように眠りに着いていた隼は朝を迎えた。隼の胸の中はどうすればいいのかわからずぐちゃぐちゃのままだった。その中で唯一浮かんだ考えは真紀のところに行く。ただそれだけだった。
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第9話「信頼するということ」
来る日も来る日も隼と真紀はメールでやり取りをしていた。その日学校であった事。仲の良い友達のこと。隼も祐介や浩司のことを話していた。そして出来るだけお金がかからないようにではあったが、時々電話をすることもあった。
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第8話「変わらないもの」
二年生になった隼たちはまた三人とも同じクラスだった。「ほんま良かったな。みんな同じクラスになれて。」「せやな。ほんま良かったわ。」三人はいつものように集まってお弁当を食べていた。「てか祐介、最近松井さんとどうなん?」「どうって別にいい感じやで。
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